第3回 選択肢が増えると迷う?「選択のパラドックス」とその罠

心理学
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おはようから、おやすみまで わいざーと申します🎵

突然ですが、「メニューが多すぎて、逆に選べなかった…」という経験、ありませんか?

DALLE 2025 03 25 171251 An anime style digital illustration of a flashy young man looking confused and overwhelmed by too many choices He has a clean fade haircut with wavy

レストランのページ数が多すぎて、結局「いつもの」を頼んだり、
サブスクのラインナップが豊富すぎて、何も見ずに終わったり――。

実はこれ、「人間の選択の仕組み」に深く関係しているんです。
今回は行動経済学の中でも特に面白いテーマ、
「選択のパラドックス(選択の逆説)」についてやさしく解説していきます。

「選択肢が多いほど幸せ」とは限らない

私たちは普段、「選べること=自由=幸せ」と思いがちです。
でも実際には、選択肢が多すぎると判断が鈍り、満足度が下がるという逆の現象が起きることがあります。

この現象を研究したのが、アメリカの心理学者バリー・シュワルツ。
彼の提唱した概念が、「選択のパラドックス(The Paradox of Choice)」です。

有名な実験があります。

■ ジャムの実験

あるスーパーで行われた実験では、
試食用に並べたジャムの数を以下の2パターンにしました。

  • 6種類のジャム → 購入率:約30%
  • 24種類のジャム → 購入率:約3%

なんと、選択肢が4倍になったにもかかわらず、購買率は激減
選ぶ自由が増えたはずなのに、かえって人は“選べなくなって”しまったのです。

関連リンク・参考資料

■ 書籍:なぜ選ぶたびに後悔するのか〜オプション過剰時代の賢い選択術

バリー・シュワルツ 著|瑞穂のりこ 訳|武田ランダムハウスジャパン 刊
「選べる自由」が、実は人を不幸にする?
現代人の“選択疲れ”に警鐘を鳴らした名著
▶︎ http://www.1book.co.jp/006266.html

■ TEDトーク:選択のパラドックスについて

バリー・シュワルツ: The Paradox of Choice(日本語字幕あり)
選択肢が多すぎると人はどうなる?
行動経済学の視点で“自由”の落とし穴を語る人気講演
▶︎ https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice?language=ja


なぜ選択肢が多いと人は迷うのか?

選択肢が増えると起こること、それは…

■ 1. 判断にエネルギーがかかる

選ぶという行為は、実は脳にとって“重労働”。
選択肢が増えるたびに、脳のリソースが削られていくのです。

■ 2. 選ばなかったことへの後悔が残る

「こっちを選んでよかったのかな…?」
「もしかしてあっちのほうが…」
というふうに、満足よりも後悔が勝ってしまうことがあります。

■ 3. 自分の選択に自信が持てなくなる

選択肢が多いと、「選べなかった自分が悪い」と思いがちに。
結果、幸福感も下がってしまうというわけです。

「選べる自由」と「選ばせすぎ」の境界線

選択肢が多いのは悪いことではありません。
問題は、「選ばされすぎて、疲れてしまうこと」。

現代社会では、買い物・進学・仕事・人間関係まで、
あらゆる場面で“選択の連続”を求められます

でも、本当に大切なのは、
「選べること」より「自分が納得できる選び方」ではないでしょうか。

情報リテラシー的に考える「選択の整理術」

選択肢に疲れないためには、こんな視点が役立ちます。

1. ■ 自分の「基準」を持つ

選ぶ軸がないと、どれが良いか判断できません。
「何を優先したいか?」を明確にしておくだけで、迷いは減ります。

2. ■ どれを選んでも“正解”だと知る

完璧な選択は存在しません。
「選んだあとで正解にしていく」という姿勢が、後悔を減らします。

3. ■ 時には“選ばない勇気”を持つ

情報をシャットアウトする、選択肢を絞る、保留にする――
“意図的に選ばない”ことも、立派な選択行動です。

まとめ:迷うのは、あなたのせいじゃない

選択肢が多すぎて決められない――
それは、意思が弱いからでも、優柔不断だからでもありません。

DALLE 2025 03 25 171600 An anime style digital illustration of a flashy young man making a confident decision He has a clean fade haircut with voluminous wavy hair slicked u

人は本来、そんなにたくさんのものを一度に選べるようにできていない。
だからこそ、選択の仕組みを知って、自分らしい選び方を育てていくことが大事なんです。

次回は、「高い方を選んでしまう」心理の裏にある、
アンカリング効果についてお話ししていきます!

では、また次の記事でお会いしましょう!
グッモグッナイグッラック!!

▼行動経済学シリーズまとめ

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