おはようから、おやすみまで わいざーと申します🎵
突然ですが、「メニューが多すぎて、逆に選べなかった…」という経験、ありませんか?

レストランのページ数が多すぎて、結局「いつもの」を頼んだり、
サブスクのラインナップが豊富すぎて、何も見ずに終わったり――。
実はこれ、「人間の選択の仕組み」に深く関係しているんです。
今回は行動経済学の中でも特に面白いテーマ、
「選択のパラドックス(選択の逆説)」についてやさしく解説していきます。
「選択肢が多いほど幸せ」とは限らない
私たちは普段、「選べること=自由=幸せ」と思いがちです。
でも実際には、選択肢が多すぎると判断が鈍り、満足度が下がるという逆の現象が起きることがあります。
この現象を研究したのが、アメリカの心理学者バリー・シュワルツ。
彼の提唱した概念が、「選択のパラドックス(The Paradox of Choice)」です。
有名な実験があります。
■ ジャムの実験
あるスーパーで行われた実験では、
試食用に並べたジャムの数を以下の2パターンにしました。
- 6種類のジャム → 購入率:約30%
- 24種類のジャム → 購入率:約3%
なんと、選択肢が4倍になったにもかかわらず、購買率は激減。
選ぶ自由が増えたはずなのに、かえって人は“選べなくなって”しまったのです。
関連リンク・参考資料
■ 書籍:なぜ選ぶたびに後悔するのか〜オプション過剰時代の賢い選択術
バリー・シュワルツ 著|瑞穂のりこ 訳|武田ランダムハウスジャパン 刊
「選べる自由」が、実は人を不幸にする?
現代人の“選択疲れ”に警鐘を鳴らした名著
▶︎ http://www.1book.co.jp/006266.html■ TEDトーク:選択のパラドックスについて
バリー・シュワルツ: The Paradox of Choice(日本語字幕あり)
選択肢が多すぎると人はどうなる?
行動経済学の視点で“自由”の落とし穴を語る人気講演
▶︎ https://www.ted.com/talks/barry_schwartz_the_paradox_of_choice?language=ja
なぜ選択肢が多いと人は迷うのか?
選択肢が増えると起こること、それは…
■ 1. 判断にエネルギーがかかる
選ぶという行為は、実は脳にとって“重労働”。
選択肢が増えるたびに、脳のリソースが削られていくのです。
■ 2. 選ばなかったことへの後悔が残る
「こっちを選んでよかったのかな…?」
「もしかしてあっちのほうが…」
というふうに、満足よりも後悔が勝ってしまうことがあります。
■ 3. 自分の選択に自信が持てなくなる
選択肢が多いと、「選べなかった自分が悪い」と思いがちに。
結果、幸福感も下がってしまうというわけです。
「選べる自由」と「選ばせすぎ」の境界線
選択肢が多いのは悪いことではありません。
問題は、「選ばされすぎて、疲れてしまうこと」。
現代社会では、買い物・進学・仕事・人間関係まで、
あらゆる場面で“選択の連続”を求められます。
でも、本当に大切なのは、
「選べること」より「自分が納得できる選び方」ではないでしょうか。
情報リテラシー的に考える「選択の整理術」
選択肢に疲れないためには、こんな視点が役立ちます。
1. ■ 自分の「基準」を持つ
選ぶ軸がないと、どれが良いか判断できません。
「何を優先したいか?」を明確にしておくだけで、迷いは減ります。
2. ■ どれを選んでも“正解”だと知る
完璧な選択は存在しません。
「選んだあとで正解にしていく」という姿勢が、後悔を減らします。
3. ■ 時には“選ばない勇気”を持つ
情報をシャットアウトする、選択肢を絞る、保留にする――
“意図的に選ばない”ことも、立派な選択行動です。
まとめ:迷うのは、あなたのせいじゃない
選択肢が多すぎて決められない――
それは、意思が弱いからでも、優柔不断だからでもありません。

人は本来、そんなにたくさんのものを一度に選べるようにできていない。
だからこそ、選択の仕組みを知って、自分らしい選び方を育てていくことが大事なんです。
次回は、「高い方を選んでしまう」心理の裏にある、
アンカリング効果についてお話ししていきます!
では、また次の記事でお会いしましょう!
グッモグッナイグッラック!!
▼行動経済学シリーズまとめ
- 第1回:人は合理的に行動しない?行動経済学の基本
- 第2回:つい買ってしまうのはなぜ?損失回避とプロスペクト理論
- 第3回:選択肢が増えると迷う?選択のパラドックス(このページ)
- 第4回:なぜ高い方を選んでしまう?アンカリング効果の正体(近日公開)
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