おはようから、おやすみまで、わいざーと申します🎵
これは「転勤=参勤交代説」シリーズの第3回です。
→ 第2回「忠誠のコスト」──転勤が社員と家族に与える“静かなダメージ”とは?
ここまでの記事では、転勤制度と参勤交代の共通点や、社員とその家族が背負うコストを見てきました。
では、そもそも──転勤って、本当に必要なんでしょうか?
企業が「転勤は必要」と思う理由
企業側が転勤を必要とする理由として、よく挙げられるのは以下のような点です。

- 人材の偏在を防ぎ、バランスの取れた配置を実現する
- 現場を知ることでマネジメント能力を高める
- “会社都合”の異動で組織を柔軟に回す
たしかに、全国に支社があるような大企業では、拠点間の流動性が必要な場面もあるでしょう。
ただ、それは本当に「強制的な辞令」でなければならないのでしょうか?
令和の現実──「選べる転勤」への流れ
実は近年、転勤に関する制度設計を見直す企業が増えてきています。
- 転勤なしコース(勤務地限定型正社員)の導入
- 自己申告制度を強化して、希望勤務地を考慮
- テレワーク併用で転勤を最小化する働き方
これらはすべて、「一律の命令」ではなく、社員のライフステージや希望に合わせた制度を模索する動きです。
働き方の多様化が進む中で、画一的な転勤命令はむしろ組織の柔軟性を下げているのでは?という問いが生まれつつあります。
「転勤=経験」の時代は終わる
かつては「地方支社で現場経験を積む」ことが出世へのルートとされていました。
しかし今は、社内DX、リモートでの全国会議、ナレッジ共有ツールなどにより、「場所に縛られない経験」が可能な時代です。
であればこそ、転勤を“修行”としてではなく、選択肢のひとつとして扱うことが、企業と社員双方にとって持続可能な道なのではないでしょうか。
本当に必要なのは、「信頼」かもしれない
参勤交代は、幕府が「信用できない」大名を縛るための制度でした。
それと同様に、企業が社員を「完全には信用できない」からこそ転勤で縛ろうとする──そんな無意識が残っているのかもしれません。
しかし今、必要なのは制度でのコントロールよりも、信頼に基づく働き方。
社員を信じて任せる、だからこそ成果を出しやすくなる──そんな関係性が、令和の職場には求められているように思います。
シリーズを終えて:制度を“見直す勇気”を
このシリーズでは、「転勤=参勤交代」という切り口から、現代の働き方の前提を問い直してきました。
制度とは、「変えてはいけないもの」ではなく、「時代に合わせて変えるべきもの」。
令和の時代にふさわしい働き方を、一人ひとりが考えることが、これからの組織をつくっていく第一歩だと、私は思います。
では、また次の記事でお会いしましょう!
グッモグッナイグッラック!!
信頼性のある出典・研究(裏付け補強)
転勤制度に関する基本理解と現代の課題意識を深めるため、参考記事を2つご紹介します。
「転勤廃止」の浸透で陰湿リストラが復活する謎(東洋経済オンライン)
近年進む転勤制度見直しの裏側で起きている、企業内でのリストラ問題に切り込んだ考察記事です。
転勤とは?異動との違いや目的、メリット・デメリットを解説(マイナビAGENT)
転勤の基本定義から異動との違い、企業側・社員側それぞれのメリット・デメリットまで網羅的に解説している記事です。
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